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資金を調達するために日頃から頭を悩ませている経営者の方は多いでしょう。
円滑な事業活動をするには、運転資金が必要になります。
中小企業の多くは運転資金を賄うのが精いっぱいで、事業拡大するための資金を捻出するのは難しいというのが現状です。
社会的信用度の低い中小企業は融資をうけようとしても断られることが多く、事業拡大を諦める中小企業は多いようです。
そこでこの記事では、中小企業の資金調達の現状からコンサルティングを利用した資金調達、仲介業者への相談方法まで紹介します。
中小企業の資金調達は難しい理由
中小企業の資金調達が難しい理由は以下の3つです。
知名度がない
これから成長する可能性のあるベンチャー企業でもない限り、知名度のない通常の中小零細企業の場合、担保なしに出資を受けるのが難しいという状況があります。
知名度はイコール社会的信用にもつながるものなので、知名度の低い中小企業が多額の融資を受けるためには、何らかの担保などが必要になります。
※参考 中小企業の資金調達構造の特性
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H16/16chusho/hakusho/H16/html/16241110.html
経営基盤が不安定
中小企業の多くは、経営基盤が不安定です。
これは赤字経営が続いていたり、長期的にノンバングの融資を利用していたりすることがわかると通常の銀行融資が難しくなるからです。
開業後に赤字になってしまってから融資を受けようとすると、銀行からの融資は受けられない可能性が高くなります。
また現時点では健全な経営状態であっても、5年後・10年後といった単位で見た時に健全な経営状態が維持されている保証がないと判断されて、融資を断られるケースも多くなっています。
事業性評価が難しい
会社としての実績がなく、銀行にアピールできる材料がない企業も数多くあります。
銀行側から見ると、事業評価ができない企業へは必然的に融資を行いにくくなります。
また創業からずっと赤字経営の場合も、銀行としては貸し倒れになる可能性が考えられます。
現在の事業内容と会社の成長性、現在の会社の状態などを総合的に見て良くないと判断されてしまうと、銀行は中小企業に融資を行ってくれないと考えるべきです。
資金調達はコンサルティングに依頼しよう
銀行融資が受けられない中小企業の資金調達法の1つとして、銀行と企業の仲介業務をしてくれる資金調達専門のコンサルティングを利用するという手段があります。
資金調達専門のコンサルティングとはどんなものでしょうか。以下で詳しく見ていきます。
資金調達専門コンサルティングとは?
企業の現状を把握し、現在の事業内容にあった効率的な資金調達の手段を提案し、資金調達の成功率をアップさせるのが資金調達専門コンサルティングの主な仕事内容です。
資金調達コンサルティングを利用するメリット
資金調達を専門に行っている分、資金調達に関する深い知識と経験があります。
その知識と経験を活かし、数ある銀行の中から希望する融資条件に適した銀行を選別して融資計画を立案してくれます。
また銀行との融資交渉を有利にするために、財務的な戦略の立案をサポートするとともに、必要であれば借り換えや、返済計画の見直し、金利の引き下げなどの交渉を現場でサポートしてくれるなどのメリットも得られます。
資金調達コンサルティングを利用するデメリット
資金調達コンサルティングの性質上、少なからず悪質なブローカーが存在します。
ネット上で非現実的な融資を実現したと大げさに宣伝したり、電話やFAXでしつこく融資の勧誘をしてきたりするような業者の場合は要注意です。
悪質な資金調達ブローカーの可能性が高いので、取引に応じないようにしましょう。
コンサルタントの気になる報酬
資金調達コンサルティングを利用した際の費用はどれぐらいなのか、以下で説明いたします。
資金調達コンサルティングの費用は?
まず次の料金が発生します。
相談するための料金
原則として有料(無料のところもあり)で、1回2万円~3万円が相場です。
相談する時間はおおむね2時間に設定していることが多く、2時間以上に及ぶ場合は2回にわけて相談しなければいけないこともあります。
交通費を請求される場合もありますので相談前に確認しておきましょう。
着手するための資金
着手金は契約してからでなければ発生しませんが、金額は業者によってバラつきがあります。
大体3万円前後ですが、調達を希望している資金の額によって着手金を決める業者もあります。
調達資金が1億を超えるケースの場合、着手金だけで、200万円~300万円ほどに設定している業者もいますので注意しましょう。
インセンティブボーナス
いわゆる成功報酬ですが、資金調達が成功した場合に調達金額に応じて支払うものです。
これは出資法で制限されており、5%までと上限が決められています。
5%を超えるインセンティブボーナスを設定している業者は出資法違反である可能性が高いので、業者を選ぶ際の判断基準の一つにしてください。
書類を作成する費用
資金を調達するためには、融資先に提出する事業計画書などの書類を作成しなければなりません。
提出する金融機関によって精度の高い書類の提出が必須のところもあるので、コンサルティング会社に作成を依頼した方がいいかもしれませんが、数万円~10万円の費用がかかります。
参考:資金調達Lab コンサルティング会社にかかる費用
https://shikinchoutatsu-lab.jp/shikinchoutatsu/1008/#i-11
成果報酬型のところはある?
前述したように多くの場合、資金調達コンサルティングは成功報酬として調達金額に応じた成果報酬を得ています。
以下に紹介する資金調達コンサルティングは、成果報酬をメインの費用にしているところばかりです。
相談料と着手金を一体にするなど、リーズナブルにコンサルティングを始めてもらうことができるところを紹介しています。
- 株式会社HKコンサルティング
https://www.hkconsulting.co.jp/service/ - 株式会社Co-creating partner
http://co-cp.co.jp/#aboutus - Cross&Crown合同会社
https://www.crossandcrown.co.jp/ - 株式会社TCR
https://shikinguri-hotline.com/choutatsu/consultant/
成果報酬型でも成果報酬が10%などと記載されていたり、成果報酬は要相談でいざ相談したら5%以上だったりするところがありますので要注意です。
出資法で5%までと決められているということを忘れずに確認しましょう。
出資の相談は仲介業者に依頼
銀行から融資を受けるだけが事業を円滑にする方法ではありません。
特定の企業や投資家などから出資してもらい、事業活動を円滑に行う方法もあります。
出資してもらうにはどうしたらよいのか、詳しくみていきましょう。
出資してもらう方法とは?
企業や個人から出資してもらうには、以下のような方法が挙げられます。
企業のウリを持つこと
企業の強みやウリがあると、出資者へアピールする材料になります。
出資者が投資したいと思えるウリであることが重要なポイントになりますので、いくら自分たちの強みだと主張しても出資者に響かなければ、出資してもらえません。このことは肝に銘じておきましょう。
地域のイベントに積極的に参加する
企業と投資家を結ぶイベントや交流会が日本各地で開催されています。
そういったイベントがあったら積極的に参加することで、これから出資してくれるかもしれない不特定多数の投資家の方たちと出会うことができます。
アピールする絶好のチャンスとなることでしょう。
クラウドファンディングを利用する
クラウドファンディングとは、群衆(Crowd)という英語と資金調達(Funding)という英語を組み合わせた造語です。
インターネットが普及した現在におけるもっとも簡単に出資者を募れるプラットフォームであると言えます。
もっともポピュラーなのが金融型クラウドファンディングと呼ばれるものです。
クラウドファンディングサイトに自社の強みやアイデアを投稿し、そのアイデアに賛同する出資者を募ります。そして出資した投資家は、配当、分売益や値上がり益などのリターンを得ます。
クラウドファンディングには他にも購入型や寄付型も存在します。
購入型クラウドファンディングは、クラウドファンディングサイトに商品を出品し、実際に商品を購入するというのが基本です。
出資というより、購買行動にあたります。
寄付型クラウドファンディングは、読んで字のごとく寄付を募るだけなので、対価やリターンはありません。
参考:READY FOR はじめてのクラウドファンディング
https://readyfor.jp/crowdfunding/
出資してもらうための相談はどこにすればよい?
出資を希望する場合はマッチングサイトやクラウドファンディングサイトを利用するのがよいでしょう。
オススメのマッチングサイト、クラウドファンディングサイトを紹介いたします。
注意しなければならないのは、マッチングサイトもクラウドファンディングサイトも出資が成立した場合、仲介手数料を取られることです。
マッチングサイト
グッドエンジェル
https://angel.good-hills.co.jp/
2011年に開業した出資希望者と投資家をマッチングするサイトです。
安定感があり、高い成約率を誇っています。
資金調達MATCHING
https://angel.money-g.com/
最短3日で成約ができることが魅力のマッチングサイトです。必要な金額を選択し投資家を選ぶことができます。
Up-Room
http://www.angel-toushi2.com/comp_020_010angel-toushi/Default.aspx?func=
他の同種のサイトと比べるとユーザー数が多くありませんが、サービス開始から10年以上経過している老舗です。100万円からの小額の投資も可能です。
エンジェル投資総研
http://www.angel-laboratory.com/
利用料が業界最安値のマッチングサイトです。
出資希望者が気に入った投資家を探す仕組みで、投資家は出資希望者から声がかかるのを待っている状態です。
クラウドファンディングサイト
CAMPFIRE
http://camp-fire.jp/
READY FOR とともに、日本のクラウドファンディングサイトの先駆と言われています。音楽や写真、芸術などのアート系に強みがあります。
READY FOR
https://readyfor.jp/
日本最初のクラウドファンディングサイトです。
プロジェクトの数が日本最大級で、8000件以上のプロジェクトが企画されています。充実したサポートと手数料の安さが特徴です。
Makuake
https://www.makuake.com/
サイバーエージェントのグループ会社です。
後発の会社ですが、2015年の実績では、飲食・プロダクト、映画製作で国内No.1になりました。
まとめ
中小企業の資金調達の現状からコンサルティングを利用した資金調達、仲介業者への相談方法まで紹介しました。
昨今インターネットが普及したことにより、マッチングサイトやクラウドファンディングサイトに代表されるように資金調達もWebで完結するようになりましたが、資金調達の手段が多様化したことにより一層悪質な資金調達ブローカーも増えました。
資金調達は慎重に行いましょう。