中小企業の資金調達方法として人気が高まりつつある「ファクタリング」ですが、介護事業者向けのサービスも続々と登場しています。
介護ファクタリングとはどのようなものかをはじめ、

  • 介護事業にとってどんなメリットがあるのか?
  • 介護ファクタリングサービスを比較すると、どこがおすすめなのか?

といったことをご説明します。

今注目を浴びる、介護ファクタリングのニーズとは?

介護ファクタリングは、介護保険事業者の資金調達方法として、近年人気が上昇しているサービスです。
開業したばかりの介護事業者にとって、まずはじめに課題となるのが、初期運転資金のやり繰りです。

売上が入金されるまで、介護報酬の場合は45日(約2ヶ月)かかります。
利用者の支払うお金は遅れて入金されるため、事業資金としてすぐ使えるわけではなく、初期運転資金の確保は必須となります。

また、最初は利用者が少なくても「介護事業の人員基準」に定められた最低限の雇用が必要なため、特に人件費が圧迫します。
開業後1~2ヶ月で利用者が急激に増えると、人件費が高騰し、資金繰りが困難となります。

これを解決するのが、介護ファクタリングによる資金調達です。
介護報酬の入金を待つよりも、1ヶ月以上早く資金を手にすることができます。
ファクタリング会社に請求してから、平均3~7日で当月分の介護報酬が入金されます。

介護ファクタリングによる資金調達の仕組み

介護ファクタリングの基本的な仕組みは、企業間で行われているファクタリングと同じです。
企業間では、自社が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却することで、資金化を行っています。
企業でいう売掛債権が、介護事業者にとっては介護報酬債権にあたり、これを介護ファクタリング会社に売却することで資金化する仕組みです。
介護報酬のほか、医療機関の診療報酬や調剤報酬についても、ファクタリングの対象となります。

ただし、介護報酬の全額が資金化されるわけではありません。
ファクタリング会社の収益として、介護報酬から数%の手数料を差し引いた金額が入金されます。
介護報酬は、企業の売掛金よりも回収の確実性が高いため、手数料は低めになっています。

介護報酬資金化までの流れは、以下のとおりです。

  1. 介護事業者とファクタリング会社が、債権譲渡契約を締結します。

  2. 介護事業者が国民健康保険団体に対して、債権譲渡通知を行います。

  3. ファクタリング会社から介護事業者に対して、債権譲渡対価の入金があります。

  4. 国民健康保険団体がファクタリング会社に対して、保険給付費の支払いを行います。

融資とファクタリングはどっちがおすすめ?

初期運転資金を融資で調達する方法もありますが、ファクタリングと比較すると、条件が厳しくなります。
特に、開業して間もない介護事業者は融資を断られることも珍しくありません。
ファクタリングは以下のようなメリットがあるため、融資が受けられないときの最終手段として活用できます。

  • 融資よりも審査の基準がゆるい
  • 保証人や不動産担保などが必要ない
  • 債務超過や税金の滞納があっても利用可能な場合がある

ちなみに、銀行融資の際に審査を通りやすくする手段として、ファクタリングで手元資金を潤沢にするという方法もあります。
介護報酬債権を売却することで手元資金が増えると、決算書がオフバランス化されて信用力が上がり、審査に有利になります。

介護ファクタリングにデメリットはある?

介護ファクタリングでは、先述したように手数料がかかることに加えて、収益の先食いによるリスクも考慮しなければなりません。
一旦ファクタリングを中断すると、先食いした分の診療報酬が入ってこない月が発生します。

例えば、2月に入金される予定だった1月度の介護報酬を、ファクタリングで1月に資金化したとします。
そこでファクタリングを中止した場合、本来あるはずだった2月の入金は無しになるので、2月度は1月までに入った資金だけでやり繰りすることになります。
特に新規介護事業者の場合、経営が安定するまで最低でも数ヶ月間は継続利用をしないと、さらに資金繰りが悪化します。
その場しのぎの金策だけでなく、近い将来の資金繰りも見越して、計画的に利用しましょう。

人気の介護ファクタリングサービスを比較!

りそな決済サービスやオリックス株式会社をはじめ、大手企業の介護ファクタリング事業への参入が進んでいます。
介護ファクタリング専門会社も含め、人気のサービス5社を厳選し、各社の特徴・メリットを述べていきます。

オリックス

オリックス株式会社は、銀行や保険、証券など金融関連の事業に加え、医療・介護系のサービスにも強みがあります。
「診療・介護・調剤報酬債権譲渡担保融資」や、「医療機器レンタルサービス」に加え、2010年からは介護ファクタリングサービスも開始されました。
2011年以降はサービス拡大により、債権買取額の下限引き下げなど、条件を緩和したことでさらに利用しやすくなりました。

手数料

割引料率1.0%、事務手数料31,500円(初回契約時と契約更新時)

利用条件
  • 事業開始後1年以上の法人および個人事業主
  • 月額300万円以上の取引

りそな決済サービス

りそな決済サービスは、企業間の「一括ファクタリング」や「保証ファクタリング」で実績のある会社です。
「介護報酬債権前払いサービス」については専門部署を設置し、きめ細かい対応・手厚いサポートに定評があります。
りそな決済サービスと提携している介護保険請求ソフトを利用すると、さらにスムーズな資金化が可能になります。

手数料

審査状況による

利用条件
  • 社会保険適用事業所に指定されている事業者
  • りそな銀行の営業エリア内(埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行を含む)に拠点のある事業者
  • 提携先の介護ソフトまたは、指定の請求データ伝送ツールを利用できる利用者

リコーリース

リコーグループのリース会社である「リコーリース」は、幅広い介護ファクタリングサービスを提供しているのが特徴です。。
介護報酬債権の他、「介護予防・日常生活支援総合事業費債権」、「訪問介護療養費債権」なども譲渡の対象範囲です。
このため、老人ホームからデイケア、訪問介護まで幅広い介護事業者に利用されています。
さらに、全国対応・訪問対応が可能で、安心のサポート体制です。

手数料

0.4%~1%

利用条件
  • 新規開設の介護事業者でも利用可能
  • 介護ソフトの利用制限なし

豊通オールライフ

豊通オールライフは、日本で最初の介護報酬ファクタリング専門事業を展開した会社です。
10年以上の運営実績があり、介護ファクタリング以外にも「福祉用具レンタル卸事業」や「介護用品販売卸事業」を実施しています。
資金繰り以外にも、介護事業全般においてサービスが充実している会社です。

手数料

買取金額による

利用条件
  • 新規開設の介護事業者でも利用可能
  • 介護ソフトの使用制限なし

カイポケ

カイポケは介護ソフトを取扱う会社として有名で、介護ファクタリングである「カイポケ早期入金サービス」でも、1,000社以上の利用実績があります。
手数料は最大でも0.8%で、業界の平均である1%より低く抑えられる点が魅力です。
手数料が安い理由は、カイポケ独自の管理システムによって、請求データの管理から入金までを効率化し、コストを抑えているからです。

手数料

0.4%~0.8%(審査状況による)、事務手数料2000円

利用条件
  • 新規開設の介護事業者でも利用可能
  • 長期契約の縛りなし