地域密着型の銀行として、山口県を中心に営業を展開する「山口銀行」は、幅広い資金調達サービスを用意しているのが特徴です。
そのうちの一つが、「売掛債権流動化(一括ファクタリングサービス」です。
山口銀行の一括ファクタリングサービスをはじめ、その他の資金調達方法について、中小企業向けのメリット・デメリットを解説していきます。

山口銀行の一括ファクタリングサービスとは?

山口銀行の一括ファクタリングサービスとは?

山口銀行で実施しているファクタリングは、民間ファクタリング会社と基本的に同じ仕組みです。
ここで、納入企業(商品・サービスを提供する会社)が資金調達を行う視点から、一括ファクタリングサービスの取引の流れを説明します。

  • ①自社(納入企業)が取引先(支払企業)と売買契約等を行う。
  • ②取引先に対して、自社に売掛債権が発生する。
  • ③自社が山口銀行(ファクタリング会社)に対して、債権譲渡を行う。
  • ④山口銀行が自社に対して、債権買取時~売掛金支払期日までに、債権譲渡の対価を支払う。
  • ⑤取引先が山口銀行に対して、期日までに売掛金を支払い、取引完了。

ファクタリング会社の役割が山口銀行である点以外は、民間ファクタリングの取引の流れと違いはありません。

山口銀行ファクタリングのメリットは?

山口銀行ファクタリングのメリットは?

山口銀行のファクタリングを利用することで、納入企業・支払企業それぞれにどんなメリットが生じるかをまとめます。

納入企業にとってのメリット 支払企業にとってのメリット
  • ・借入や株式発行以外にも、資金調達手段の幅が広がる
  • ・自己資本比率が上がり、会社の格付けが良くなる
  • ・借入金を減らし、バランスシートをスリム化できる
  • ・売掛先(支払企業)の信用力を借りることで、資金調達のコストを減らせる
  • ・支払手形の発行や管理にかかるコストを減らせる
  • ・手形の紛失や盗難のリスクを回避する
  • ・決済先を山口銀行に集約することで、事務手続きの負担が軽くなる

このように、納入企業・支払企業の双方にメリットが多いのが、山口銀行の一括ファクタリングサービスです。

山口銀行ファクタリングのデメリットは?

山口銀行も含めた銀行系ファクタリングには、中小企業にとっていくつかのデメリットがあります。
そのデメリットとは、以下の2点です。

  • 少額からの売掛債権買取に対応していない
    他の銀行系ファクタリングと同様、山口銀行でも数十万~数百万円単位での買取は、対応が難しい場合があります。
    300万円以下の資金調達を検討しているなら、少額でもスピーディーに対応してくれる民間ファクタリングのほうが便利です。
  • 審査の条件が厳しく、時間がかかる
    山口銀行のファクタリングは、民間業者より審査の基準が厳しくなります。
    そのため、資本力が弱い個人事業主や零細企業、中小企業ではファクタリングを利用できない可能性があります。
    自社の信用力が高くとも、売掛先の信用力が低ければ、利用ができません。
    また、審査に1~2週間ほど時間をかけるので、即日資金調達は困難になります。

山口銀行の信用性・評判はどう?

銀行から自社・売掛先の信用度が問われるのはもちろんのことですが、ファクタリングを利用する側としても、銀行の資本力や対応力は気になるところでしょう。
山口銀行は地方銀行の中でも大手なので、確かな信用性があります。
民間の悪質業者にありがちな、不当な手数料の引き上げや契約関係のトラブルなどは、心配しなくても良いでしょう。

唯一気になる点としては、融資の口コミで「山口銀行の審査は厳しい」と評価されており、それはファクタリングの審査でも同様だと言えることです。
これは、銀行が真面目に業務を行っているということなので、信用性については何ら問題ありませんが、気軽さという点では魅力に欠けます。

銀行員の対応については、「熱心で親切」「対応が冷たい」と賛否両論です。
融通の効きやすい民間業者とは異なり、銀行にはお固い印象があるかもしれませんが、取引を行う上で特別不利益になるようなことはないでしょう。

ただ、銀行では預金管理や融資、為替など他に沢山の業務を抱えているため、対応に時間がかかる場合もあります。
その点で、ファクタリングに特化している民間業者であれば、スムーズな取引や手厚いサポートが期待できます。

他にもある!山口銀行の資金調達方法

一括ファクタリングサービス以外に、山口銀行には以下のとおり多彩な資金調達方法があります。

  • ビジネスローン
  • 個人事業主、法人役員向けローン
  • 事業者カードローン
  • 機械担保ローン
  • 車両担保ローン
  • シンジケートローン

この中でも、山口銀行で人気のローンを3つ紹介します。

ビジネスローン「ジャストミート」

個人事業主や中小企業向けのビジネスローンです。
最大8,000万円まで融資可能で、担保・第三者保証は不要です。
最小で100万円から、10万円単位で借りられますが、利用には以下の条件があります。

  • 業歴が3年以上であること
  • 税金(法人税、消費税など)の滞納がないこと
  • オリックス株式会社の保証料を支払うこと

事業者カードローン「社長の右腕」

山口銀行のATMを通じて、いつでも借入や返済が気軽にできるカードローンです。
利用限度額は最大500万円(直近の月商1ヶ月分の範囲内)で、50万円単位で借入できます。
利用条件として、業歴が2年以上の事業者なら申込めますが、保証人が1名以上必要です。

個人事業主・法人役員向けローン「つかえる!やまぐち君」

使い道が自由で、10万円から1万円単位で借りられる、山口銀行で最も手軽なローンです。
融資限度額は最大300万円で、担保・第三者保証は不要です。
安定した収入があり、かつ山口銀行における借入の延滞や代位弁済等がなければ、審査に通りやすいです。

一括ファクタリングとビジネスローン、どっちがおすすめ?

山口銀行では、中小企業向けのローンは一応いくつかありますが、審査の易しさでいえば、一括ファクタリングの方がおすすめです。
自社に対しても審査はありますが比較的簡易で、売掛先の信用度が高ければ、サービスを利用できる可能性は高くなります。

ただし、山口銀行のファクタリングだと、300万円以下の売掛債権や、業歴が浅い・信用情報に傷のある中小企業は断られやすい点がネックです。
また、民間ファクタリングより審査に時間がかかるため、緊急の資金調達には不向きです。

このため、山口銀行の一括ファクタリングは、高額の売掛債権を売却・整理するのが目的で、資本力のある企業に向いていると言えるでしょう。
さらに、地域密着型銀行であるため、営業エリア(山口、広島、兵庫、愛媛など)以外では対応が困難な点も考慮すべきです。

また、山口銀行は2社間ファクタリングに対応していない点に注意しましょう。
他の銀行系ファクタリングと同じく3社間取引なので、売掛先に必ず債権譲渡通知があります。
売掛先に知られず、自社の信用度を保ったまま債権譲渡をしたいと考える中小企業・零細企業にとっては、致命的とも言えます。

以下のような中小企業は、銀行系のファクタリングよりも、少額から利用できて即日対応可能な民間ファクタリング会社を推奨します。

  • 1,000万円以内の売掛債権を売却したい
  • どうしても2社間ファクタリングを希望したい
  • 即日で資金を調達したい
  • 自社の業歴が浅い、または税金や借金を滞納している
  • 売掛先の信用力に不安がある