売掛金の決済方法として、最近増加している「延現金払い」。例で言うと、毎月売掛金を締め日に現金で支払うのが普通ですが、支払い期日を60日後と設定する事ができ、現金で支払う日を延ばす事が出来ます。手形を振り出すよりもコストが掛からないので、この形を取る事があります。但し、信用がないと難しいでしょう。
それでは、延現金払いについてのメリットとデメリットを詳しく説明します。

延現金払いのメリット

延現金払いとは、手形を振り出さず、手形期日に相当する日に現金を振り込むという決済方法です。
「期日指定振込み」と呼ばれることもあります。

延現金払いのメリットとして、「手形発行に伴う、管理費や印紙税などのコストが削減できる」という点が挙げられます。
取引数の多い大企業や中堅企業にとっては、手形を使わない決済手段は大幅なコスト削減になり、合理的であるため、期日現金払いが増えているのです。

延現金払いの他、手形に代わる一括支払いシステムなどの決済手段が、大企業間を中心に浸透しつつあります。
一括支払いシステムとはつまり、一括ファクタリングのことです。
一括ファクタリングの導入が進んだおかげで、現在の手形交換金額は、従来の約5分の1に減少しました。

ただし、手形取引の件数が数十以内の中小企業にとっては、コスト削減のメリットが小さいので、未だに手形決済を行っている企業も少なくありません。
買掛金額が多く、支払いに時間のかかる建築業においては、まだ手形取引が一般的です。

延現金払いのデメリット

延現金払いのデメリットとしては、手形のように融通が効かないという点が挙げられます。
手形であれば、受取り側の希望により、一部の金額を割り引いて早期資金化することができます。
延現金払いの場合、支払い側との合意で決済金額・時期が決まるため、自由に資金化ができません。

また、回し手形のように支払いに利用できないというデメリットもあります。
回し手形とは、自社に振り出された手形を別の取引先に譲渡して、買掛金の支払いにあてる行為です。
例えば、支払企業Aから下請企業Bに振り出された手形を、企業Bの取引先企業Cに譲渡することで、支払いの代わりとします。

上記の例で言うなら、B社がC社に支払いを行う際、A社に対する売掛債権を支払いに回したくても、A社が代わりに支払ってくれるわけではありません。
A社から売掛金の決済がされるまで、B社はC社への支払いを別の手段によって行わなければなりません。
このように、延現金払いは資金繰りの柔軟性に欠けています。

延現金払いより、ファクタリング

延現金払いのデメリットの解決策として、ファクタリングが活用されています。
ファクタリング会社を間に挟むことで、支払期日を前倒しして、売掛金を受け取れるようになります。
ファクタリング会社が代金の立て替えを行うため、代金受取り側は、所定の手数料を支払う必要があります。(融資で言えば、利子にあたります。)

ファクタリングを利用することで、延現金払いでは実現できなかった、以下のメリットがあります。

  • 売掛金の入金日を早めることができる(最短で即日)
  • 売掛債権の一部金額だけを資金化できる

また、手形支払いに伴うコストを削減したり、売掛先の倒産リスクを回避できるといったメリットもあります。
早期資金化の際も、手形割引の審査に比べれば、ファクタリングの審査は易しいです。
延現金払いや手形払いよりもリスクが低く、柔軟な資金調達を可能にしたのが、ファクタリングなのです。

売掛金回収の管理もファクタリングにお任せ

代金回収で失敗しないためには、売掛金・手形の管理が万全でなければなりません。
万が一売上金の回収が遅れると、事業を圧迫するどころか、最悪の場合倒産してしまう恐れもあります。
損益計算書上では黒字でも、債権回収の遅れによって、仕入れや製造に注ぎ込む現金が足りなくなり、倒産することもあり得ます。

特に、延現金払いのような確実性の低い決済手段ではそのリスクが大きくなりますし、手形も安全とは言い切れません。
いずれにしても、取引先の都合次第では、自社も多大な悪影響を被る可能性を、常に念頭に置いておくべきでしょう。

売掛債権の管理が行き届いていなければ、不良債権に気付くのが遅れ、後々資金繰りで苦しむことになります。
それを防ぐには、回収体制や管理資料の整備が重要ですが、実現には多大な労力を要します。

ファクタリング会社を利用すると、資金繰りの改善だけでなく、債権回収の管理まで任せることができます。
万が一、債権が回収不能になっても、そのリスクはファクタリング会社が負ってくれるので安心です。

「保証ファクタリング」で未回収リスクに備える

不良債権のリスクに備えるには、買取ファクタリングだけでなく、「保証ファクタリング」も有効です。
保証ファクタリングのサービスには、取引先の信用調査も含まれます。
この信用調査の結果によって、与信限度額(取引先の倒産に備え定められた、総債権額の上限)が決定されます。

もし取引先が倒産などの理由で債権回収不能に陥った場合、与信限度額の範囲内で、ファクタリング会社が債権の金額を支払うことを保証してくれます。
売掛債権にかける保険のようなものと言えるでしょう。

買取ファクタリングと保証ファクタリングのメリットを使い分けることで、経営状態を大幅に改善することが可能になります。
債権管理に要する労力を削減すれば、本来の経営に集中できるので、その結果さらなる事業の発展が望めます。

いざというとき、金融機関が頼りになるという保証はありません。
むしろ、助けを必要とするときに限って、融資を拒まれた(貸し渋り)経験がある企業が多いです。

万が一に備えた資金ルートを押さえておくために、ファクタリングの検討をぜひおすすめします。
ファクタリングなら、どのようなケースでも柔軟に対応してくれるだけでなく、資金調達のスピードもどこよりも早いです。
少額債権に対応する中小企業向けのファクタリング会社も増えているので、ぜひ気軽にご相談ください。

延現金払いと掛売りの違いとは?

延現金払いと掛売りは、信用に基づく後払いという点で、よく似ています。
いずれの場合も、売上金の回収に時間がかかるため、資金繰りに影響してきます。

掛売りの場合、「売掛金」と「手形」という、2種類の決済手段があります。

売掛金

帳簿上に記載される、未集金の売上代金のことです。
「代金を指定した期日までに支払う」約束を、文書または口頭で交わします。
代金の請求は、通常1ヶ月ごとに行われます。

期日が到来しても売掛金の支払いが行われない場合は、内容証明郵便によって、法的措置を講じることができます。
ただし、法的手続きによる回収はコストが高くつくので、口約束をそのままにしておくことはリスクが大きいです。

また、売掛金には時効があることに注意してください。
支払いを待っている間に、回収不能になってしまうリスクがあります。
これを防ぐためには、少額の取引でもなあなあにせず、契約書締結の際に支払日の確認をしっかり取っておく必要があります。

手形

「代金を指定した期日までに支払う」約束が記載された有価証券を発行することで、より信頼性を高めた決済手段です。
取引先が倒産しない限りは支払いが保証される他、他人への譲渡が可能なので、手形を利用した支払いができる点もメリットです。

通常の売掛金と異なり、金融機関にて支払期日前に現金化することができます。
このシステムを、「手形割引」と呼びます。
手形の額面から数%の手数料を割引いた金額が、現金化されます。
また、手形を担保にした銀行融資を受けることも可能です。