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銀行系リース会社である「IBJL東芝リース株式会社」は、ファイナンスサービスの一環として、ファクタリング(債権買取)も実施しています。
東芝リース株式会社のファクタリングの特徴やメリット、口コミでの評判はどうなのでしょうか?
東芝リース株式会社ってどんな会社?
東芝リースは、ファイナンスサービスをはじめ、電子マネー決済導入や資産管理など、ビジネス成長・効率化をサポートする会社です。
会社名に「東芝」とついていますが、厳密には東芝グループの会社ではなく、株式の9割を「興銀リース」が所有しています。
興銀リースは、業界では10指に入る大手総合リース会社で、東芝リースと同じ銀行系列(みずほフィナンシャルグループ)の会社です。
東芝リースで資金調達手段として活用されている、ファクタリング以外のファイナンスサービスを一部紹介します。
オペレーティングリース
リース期間満了時点での残価(公正市場価格)を見積もり、物件価格から残価を引いた金額を元にリース費用が決定されます。
機械や設備にかかる初期費用(イニシャルコスト)を抑制することで、早期事業化が可能になります。
また、資産のオフバランス化ができるメリットもあります。
サブスクライバー・ファイナンス
東芝リースが事業者に代わり、複数のリース会社(出資者)と契約することで、大口の資金調達を可能にするサービスです。
ESCO契約
ESCO事業(省エネルギーに関する包括的なサービス)において、資金調達をサポートします。
建設費や経費などを含むすべての費用を、省エネルギー改修によって削減された光熱水費で賄います。
遊休資産買取・処分サービス
不要になったパソコンなど価値ある資産を、買取または破棄するサービスです。
パソコンの買取・処分においては、データ消去サービスも実施しています。
このように、東芝リースでは多様なファイナンスサービスを展開しています。
東芝サービスの公式サイトでは、各サービスに関するファイナンスの基礎知識も学べます。
東芝リースのファクタリングサービスとは?
東芝リースで実施されているファクタリングサービスは、自社(納入企業)・取引先・東芝リースの3社間契約を取引先ごとに締結する、「一括ファクタリング」です。
一括ファクタリングのメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 売掛金から必要な金額だけを、期日前に資金化できる
- 債務者と東芝リースが提携することで、手形払いを廃止し、支払い事務の合理化や経費削減ができる
- 手形の紛失や盗難のリスクを回避できる
一括ファクタリングの取引の流れは、以下のとおりです。
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納入企業(債権者)から取引先(債務者)に対し、納品・代金請求を行い、売掛債権が発生します。
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取引先から東芝リース(ファクタリング事業者)に対し、支払明細データを送信します。
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納入企業は東芝リースに対し、債権の譲渡手続きを行います。
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取引先は東芝リースに対し、債権譲渡を承諾します。
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東芝リースから納入企業に対し、債権譲渡代金が支払われます。
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取引先から東芝リースに対して、売掛債権の決済が行われます。
債権譲渡代金支払いまでの日数や割引料・手数料については公開されておらず、要相談となります。
一括ファクタリングに関する問い合わせ・相談は、東芝リース公式サイトの問い合わせフォームから行えます。
リースとファクタリングの違いとは?
設備確保のための資金調達方法として、リースとファクタリングはどちらが良いのでしょうか?
まずは、リースとファクタリングにはどのような違いがあるのか、それぞれの特徴・メリットを比較していきます。
リースの特徴・メリット
リースとは英語で賃貸借を意味し、リース会社との間で機械・設備の長期賃貸契約を交わす取引です。
レンタル事業とよく似ていますが、リースとは主に2つの点で違いがあります。
- レンタルは短期間契約で、リースは長期間(平均3~7年)契約である
- レンタルはあらかじめ所有している物件を貸し出しているが、リースは顧客の希望に応じて物件を調達する
また、リースは割賦購入とは異なり、物件の所有権はリース会社にあります。
その代わり、物件の所有に伴う税金支払いや保険契約といった管理事務は、リース会社が負ってくれます。
利用者はリース会社に対して、毎月リース料を支払うことで、物件を使用する権利を得ます。
リース料は、物件の価格や保険料、税金(固定資産税)を元に計算されます。
リース期間が長く(支払い回数が多く)なるほど、月額リース料は下がりますが、総リース料は高くなります。
ファクタリングの特徴・メリット
売掛債権を売却することで、設備投資のための資金を得る手段です。
銀行融資とは異なり負債には計上されないので、バランスシートをスリム化できるというメリットがあります。
銀行・日本政策金融公庫や自治体の創業融資制度より、スムーズに資金を調達することができます。
創業融資制度においては、自己資金の準備や、審査・指導に時間がかかり、申込みから融資実行までに約2ヶ月かかります。
ファクタリングでは、売掛債権があれば最短即日で入金が実行されます。
ファクタリングによる迅速な資金調達によって、企業のスタートアップを後押しします。
リースとファクタリング、どっちがおすすめ?
設備投資の手段として、リースとファクタリングの各場合に生じる、メリット・デメリットをまとめます。
リースの場合
- イニシャルコスト(初期投資)を安く抑えられる
- 物件にかかる保険料や税金の支払い事務が軽減される
- 会計はリース料の計上だけで良く、会計処理の負担が軽い
- 設備の陳腐化リスクを防ぎ、常に新しい製品を導入できる
- 融資より金利が高くなる
- 自己資金で購入するよりも総額が高くつく
- 設備や機器を使用しなくなっても、中途解約ができない
- リース料を払い続けても、物件は自社の所有物にならない
ファクタリングの場合
- 融資より圧倒的に早いスピードで資金調達ができる(最短即日)
- 自己資金で購入することで、物件を自社が所有できる
- 割賦やリースのような長期間に渡る支払いの負担がない
- 融資やリースよりも利用条件が緩く、審査に通りやすい
- 売掛債権の金額以上には資金調達できない
- 物件にかかる保険料や税金を自社で支払う必要がある
- 最新の設備の導入に対応しづらい
- 物件が固定資産に計上され、会計処理が複雑になる
以上から、いずれも設備投資においては一長一短あることが分かりました。
経理負担を軽くしたいならリースがおすすめですが、長期間のリース契約によって、ファクタリングよりコストが高くつく場合があります。
自己資金で購入するか、それともリースにするかで迷ったら、購入の方がおすすめです。
なぜなら、現金一括で購入すれば値引きに対応してくれる業者もあるので、総支払額を安く抑えられるからです。
リースの場合、物件の価格に加えて利息で損してしまうため、一括で購入するに越したことはありません。
そのためにまとまった資金を調達するなら、ファクタリングは最適な手段です。
ファクタリングなら、設備投資以外にも人件費や光熱費など、圧迫するコストに幅広く対処できます。
また、赤字決算でも利用できるため、リース契約の審査に落ちた場合でも、最後の手段として強い味方になってくれます。