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資金調達方法として、多くの経営者が思い浮かべるのが「事業者ローン(ビジネスローン)」です。
事業者ローンは身近で便利な資金調達方法ですが、数多くの商品があり、どれを選ぶのがベストなのか、迷いが生じるのではないでしょうか?
他にも、十分な資金が調達できない、何度も審査に落ちてしまう、金利が高くて返済の負担が大きい、など事業者ローンを選ぶ際の悩みはつきません。
ここでは、審査の通りやすさや希望調達額、金利の安さなど、重視するポイントに応じたスマートなローンの選び方・活用方法を解説します。
事業者ローンの種類とは?
事業者ローンの種類によって、金利や融資スピード、審査の通りやすさなどが異なります。
どのローンを、どのような状況で利用するのがおすすめなのか、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて説明します。
民間の消費者金融や信販会社が提供する事業者ローンです。
多くの業者が参入していて、商品の選択肢が広いのがノンバンク系で、事業者ローンの主流を担っています。
審査と振込みのスピードがもっとも早く、最短即日で資金調達ができます。
金利を高めに設定しているので、銀行よりも貸倒れリスクの許容度が高く、審査に通りやすいのが特徴です。
全国のコンビニや銀行のATMから気軽に借入れができるなど、個人向けキャッシングのノウハウを活かした利便性の高さも魅力です。
メリット
- 審査と振込みのスピードが早く、最短即日で借入れできる
- 個人事業主でも審査に通りやすい
- 事務手数料がかからないことが多い
- コンビニや銀行のATMから借入れできる
デメリット
- 銀行のビジネスローンより金利が高い(約10%~15%)
- 借入れ上限額が低い(約300万円~1,000万円)
こんなケースにおすすめ
- 数日以内に急いで資金調達をしたい
- 運転資金がショートしたときの、つなぎ資金として利用したい
融資スピードの早さや利便性の高さなど、ノンバンク系事業者ローンには多くのメリットがありますが、唯一のネックとなるのが高金利という点です。
金利負担を減らすためには、つなぎ資金など短期的な目的で利用するのがおすすめです。
審査に通りやすいノンバンク系融資会社
銀行が中小企業や個人事業主向けに開発したのが事業者ローンです。
従来の銀行融資は、経営状態の良好な大企業がメインターゲットだったので、多くの中小企業にとってはハードルが高いものでした。
それが、新しく登場した事業者ローンにより、規模が数十人以下の中小企業・零細企業・個人事業主や、経営が悪化している会社でも、銀行融資を利用しやすくなりました。
ノンバンク系と同様に、審査にスコアリングシステム(統計的モデルに基づいて、個人または企業の信用度を点数化し、与信の可否を迅速に中立的に判断するシステム)を採用しているので、従来の銀行融資より融資のスピードが早くなっています。
しかし、リーマンショックをきっかけに不良債権が続出し、銀行にとって事業者ローンは採算の合わない商品となってしまいました。
現在は、メガバンクでは事業者ローンを廃止しているところもあります。
取扱っているのは地方銀行など一部の金融機関になります。
メリット
- 低金利で借入れができる(約5%~10%)
- 借入れ上限額が高い(約3,000万円~1億円)
デメリット
- 取扱い金融機関が少ない
- ノンバンク系より審査が厳しい
- 審査と振込みに数日かかる
- 金利に加え、事務手数料がかかることが多い
こんなケースにおすすめ
- 10%以下の低金利で借入れをしたい
- 設備投資や新規事業のため、高額資金を長期的に借りたい
事業を2年以上継続していて収益が安定していれば、銀行系事業者ローンで高額キャッシングができる可能性があります。
しかし、債務超過など信用情報に問題があると、銀行系のメリットが享受できなくなってしまいます。
制度融資とは、地方自治体が金融機関や信用保証協会と連携して融資を行う、創業者のためのローンです。
都道府県・市区町村によってローンの設計は異なっているので、詳細は各自治体のウェブサイトで確認しましょう。
メリット
- 創業したばかりでも審査に通りやすい
- 銀行融資より金利が安い(約1%前後)
- 長期返済ができる
- 自治体から、利息や信用保証料の補助が受けられる場合がある
デメリット
- 審査に多くの書類が必要
- 融資の実行まで時間がかかる(約3ヶ月)
- 制度の種類が多く複雑で、最適なローンを見つけるのが難しい
- 税金の滞納中は利用できない
こんなケースにおすすめ
- 創業1年未満でも審査に通る借入れ先を探している
- 融資スピードよりも、返済負担の軽さを優先したい
事業者ローンの中でもっとも金利が低く、長期的に返済が可能な点は魅力ですが、融資実行までに時間がかかってしまいます。
制度の情報収集にも時間を要するので、資金不足に陥って慌てる前に、余裕を持って借入れの計画を始めておきましょう。
制度融資の審査では、自己資金額によって融資限度額に影響が出ることがあります。
例えば、融資限度額が自己資金額+1,000万円という制度の場合、自己資金が300万円であれば、限度額は最大1,300万円になります。
少しでも多く資金調達をするためには、自己資金をしっかり準備してから申込むのがポイントです。
もし、制度融資だけでは資金が不足してしまう場合、国金(日本政策金融公庫)の融資にも併せて申込むことができます。
国金の融資も、制度融資と同様に低金利で長期返済が可能なので、安心して借入れができます。
事業者ローンの審査基準とは?
①会社の安定性や返済能力に問題はないか?
ローン会社がもっとも重視しているのは、「融資を行う相手が、滞りなく返済してくれるかどうか」です。
ローンの申込み企業・事業主の返済能力を判定するために、以下の点についてチェックが入ります。
直近1年分の収益
会社の収益が安定していれば、返済能力が高いとみなされ、審査に通る確率が高くなります。
赤字決算の場合でも、減価償却費を外してプラスになっていれば返済原資にできるので、申し込めることがあります。
減価償却費は、支出を伴わない資産としてみなされるので、経常利益率の計算から除くことができます。
減価償却費を外しても赤字の場合は、近い将来に収支がプラスになる見込みや、返済原資をどこから捻出するのかを具体的に説明しましょう。
会社の収益は、最低2期分の決算書に基づいて審査されるため、業歴は最低1~2年以上であることが望ましいです。
業歴1年未満で決算書類が不十分な会社でも、融通を利かせて相談に応じてもらえる可能性はあります。
ただし、その場合は決算内容をよりシビアに審査されるので、借入れ上限額が低くなることがあります。
銀行系事業者ローンの場合は、ノンバンク系より厳しい審査基準を設けているので、赤字決算や債務超過の会社の場合、審査に通らない可能性は高くなります。
自己資本と負債の比率
会社の安定性は、自己資本と負債の比率から判定することができます。
収益が一時的に良好だったとしても、自己資本と負債のバランスが悪ければ、会社が倒産するリスクが上がります。
万が一、会社が倒産して自己破産した場合、銀行や消費者金融は借金を回収できなくなってしまいます。
自己資本とは、株主からの出資や剰余金を含む返済不要の資本です。一方負債とは、銀行からの借入れ金など返済義務のある資本です。
負債に対して、自己資本の比率が上回っていれば、会社の安全性は高いと判断できます。
貸倒れ率
多くの事業者ローンでは、返済能力の判断材料のひとつとして、統計データに基づいた「貸倒れ率」を算出しています。
過去の融資の統計データから、会社の業種や規模ごとに、おおよその貸倒れ率がわかります。
事業者ローンの審査では、会社の決算情報に基づいて、スコアリングシステムが自動的に似ている条件の会社を検索し、過去の返済データを参照します。
その全体的なデータを基に、会社ごとの想定される貸倒れ率を算出します。
各ローン会社が基準にする貸倒れ率を超えてしまうと、審査に落ちてしまいます。
自社の業績が良好だったとしても、貸倒れ率の高い業種であれば、マイナス要素になってしまいます。
特に、ライバルが多く競争が激しい飲食業界やIT業界の会社は、貸倒れ率が高い傾向があります。
これらの業種に該当する会社は、マイナス要素を払拭するため、安定した利益や会社の業歴をしっかりアピールしましょう。
②信用情報に問題はないか?
事業者ローンでは、事業の信用度に加え、経営者の信用度を審査しています。
会社で返済しきれない分は、経営者が連帯保証人となって返済する必要があるからです。
他社ローンの返済を滞納していないか、債権の不渡りがないかなど、経営者個人の信用情報がチェックされます。
会社に借金がなくても、個人で信用取引のトラブルを抱えていると、事業者ローンの審査にも不利になってしまうので注意しましょう。
③税金を滞納していないか?
法人税や消費税、固定資産税など、会社経営には多くの税金がかかります。
税金は多少支払いが遅れてもすぐには取り立てがこないので、資金不足に陥ると、納税を後回しにしてしまう会社は少なくありませんが、税金を滞納していると、銀行や消費者金融に対する信用度は大きく下がってしまいます。
税金の支払いができないということは、借金の返済もなおさら困難であるとみなされる恐れがあるからです。
会社の倒産後は、借金の返済より税金の精算が優先されるので、税金滞納中の会社は、金融機関から貸倒れリスクが高いと見られてしまいます。
ですが、一時的な資金繰りの悪化が原因であれば、事情を汲んでもらえる場合があります。
審査の際に、税金支払いの見通しが立っていることを具体的に説明して、説得しましょう。
未納額が少額なら審査に通る可能性があるので、まずは税金の支払いを可能な限り行ってから、ローンに申込むのがおすすめです。
④経営者の経歴や印象はどうか?
ノンバンク系の事業者ローンでは、来店不要で申込みできるところが多いですが、一部の銀行系ローンや中小消費者金融では、面談が必要になります。
面談では、経営者の受け答えや服装から受ける印象が信用度を左右するので、誠実な振る舞いを心がけましょう。
経営者の年齢や健康状態が考慮される場合もありますが、それだけで融資の可否が決定されることはありません。
審査に必要な書類は?
法人と個人事業主では、審査に必要な書類が異なります。
それぞれ、以下の書類の提出が必要です。
法人
- 代表者の本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)
- 決算書類(直近2期分の損益計算書、バランスシート、キャッシュフロー計算書など)
個人事業主
- 事業主の本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)
- 事業疎明書類(営業許可証、納品書、領収証など)
- 事業計画書
- 青色申告決算書
- 収支内訳書
- 収入証明書類(所得証明書、確定申告書など)
本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカードのような、顔写真付きの書類が望まれます。
顔写真のない本人確認書類(健康保険証や年金手帳など)は多くの場合、2点以上の書類の提出が必要になります。
個人事業主に対しては、法人より審査が厳しくなるので、事業関連書類を自発的に多く揃えて提出するのがおすすめです。
借入れ額が1億円を超える大型事業者ローンは、さらに多くの書類が必要になるので、事前に必要書類について問い合わせておきましょう。
上記以外に、以下の書類の提出が必要な場合があります。
登記事項証明書
登記事項証明書とは、不動産の所在・面積や権利情報のデータベースである「登記簿謄本」を、個別に書面にしたものです。
法務局の窓口や、オンラインで入手することができます。
印鑑証明書
印鑑証明書とは、個人および法人専用に登録した印鑑が本物であることを証明する書類で、本人確認書類のひとつとして有効です。
役所の窓口で印鑑と身分証明書を提示すると、その日のうちに印鑑登録が完了し、印鑑登録証カードが発行されます。
(※カードの発行には、300円の手数料が必要です。)
なお、印鑑登録証カードは、印鑑証明書の代わりにはなりませんので、ローンの申込みには利用できません。
印鑑登録証カードを発行する代わりに、マイナンバーカードを印鑑登録証として利用することもできます。
その場合も、役所の窓口にマイナンバーカードを持参し、所定の登録手続きを行いましょう。
印鑑登録証カード(または印鑑登録済みのマイナンバーカード)は、印鑑証明書の発行に必要です。
役所の窓口で印鑑登録証カードと本人確認書類を提示し、手数料300円を支払うと印鑑証明書を発行してもらえます。
納税証明書、課税証明書
所得や税金の納付状況をチェックするために、納税証明書・課税証明書の提出が求められる場合があります。
納税証明書は、税務署の窓口またはオンラインで交付請求することができます。
課税証明書は、市区町村の役所で交付請求ができるほか、郵送でも対応してくれます。
各証明書の交付手続きには、顔写真付きの身分証明書と印鑑、手数料(収入印紙または現金)が必要です。
納税証明書に記載されている未納額が多いと、事業者ローンの審査に不利になってしまいます。
まずは税金の納付を済ませてから、交付請求を行いましょう。
納税証明書には、現時点の未納額だけが記載されるので、過去に税金滞納をしたことがあっても、すでに納付済みであれば影響を受けることはありません。
事業者ローンの審査に通るコツ
事業歴が浅いとか、資金繰りが悪化しているとかいった理由で、本当に融資が必要な会社に限って、審査に通りにくいというジレンマがあります。
そのようなケースでも、以下のポイントを押さえてから申込むと、銀行や消費者金融からの評価を上げることができます。
①事業計画に説得力を持たせる
ローン会社に安心して融資してもらうには、事業の収益から返済にあてる見込みを、具体的に数字で説明することが重要です。
事業計画書を作成する際は、以下のポイントを明確に細かく記入しましょう。
- 毎月の返済金額はいくらで、完済はいつになりそうか?
- 資金は具体的にどのタイミングで、どんな目的で使われるか?
- 競合他社と比べて、自社にしかない強みは何か?
- 売上につなげるために、どんな戦略を用意しているか?
- 短期的、長期的に見て、利益はどう推移していくか?
- どんな顧客をターゲットにし、どうやって顧客を獲得するか?
②多重申込みを避ける
審査になかなか通らないという焦りから、一度に沢山の事業者ローンに申込もうとする経営者は少なくありません。
しかし、そのような数打てば当たる作戦は、事業者ローンに関しては逆効果になってしまう危険性があります。
なぜなら、短期間で多くのローンに申込み、審査に落ちた記録が信用データに残ると、信用評価がどんどん下がってしまうからです。
クレジットカードの多重申込みでブラックリストに載るのと同じことが、事業者ローンの申込みでも起きてしまうのです。
なので、一度に申込む事業者ローンの数は、2~3件以内に留めましょう。
それ以上のローンに申込むときは、最低でも半年以上の間隔を空けてからするようにしましょう。
③借入れ実績を作っておく
銀行や金融業者に対し、きちんと返済を行っているという事実は、ローン会社にとって安心材料になります。
まずは少額でも良いので、銀行など信頼性の高い機関で借入れを行い、短期間で完済しておくと、より高額なローンでも審査に通りやすくなります。
ただし、借入れ件数が多すぎると逆効果になるので、特定の取引先と長く信頼関係を築いていくことがポイントになります。
審査激甘な事業者ローンはどれ?
審査の甘さは融資スピードの早さにもつながるので、信用情報に傷がなくても、審査が通りやすい業者を選ぶのに越したことはありません。
銀行のプロパー融資よりハードルが低い事業者ローンなら、審査激甘のローンが存在するかもしれない、と期待を抱く人は多いでしょう。
実際は、事業者ローンでも最低限の返済能力はチェックされるので、審査激甘ということはありません。
不自然なほど審査が甘い業者は、法外な利息を請求する悪徳業者の可能性があるので、審査激甘という宣伝に惑わされると危険です。
ろくに審査を行わない悪徳業者はともかくとして、審査に比較的通りやすい、安全な事業者ローンも存在します。
審査に通りやすい事業者ローンかどうかを判断するポイントは、以下の通りです。
中小消費者金融は、大手より審査が通りやすい
消費者金融は銀行系ビジネスローンより利用しやすいですが、よりハードルが低いのが中小消費者金融の審査です。
同じ消費者金融でも、中小と大手の間では審査の基準や方法が異なっています。
中小消費者金融の審査が通りやすい理由は、スコアリングシステムで機械的な審査を行う大手よりも、人の目による柔軟な審査が可能だからです。
大手消費者金融のスコアリングシステムは、信用情報に傷があるだけで自動的に融資不可と判定します。
中小消費者金融は、過去に多重債務や自己破産などの問題があっても、現在の返済能力を考慮したうえで、融資の可否を判断します。
そのかわり、審査にやや手間がかかるので、時間に余裕を持って申込みましょう。
また、審査が簡単な代わりに金利は高くなる傾向があるので、短期の借入れで利用するのがおすすめです。
事業者ローン専門の業者がおすすめ
審査が比較的やさしい中小消費者金融の中でも、事業者ローン(ビジネスローン)を専門に扱っている業者のほうが、審査が厳しくありません。
なぜなら、専門業者ならではの丁寧で柔軟な審査が可能で、経営者の悩みに対する理解が深いからです。
豊富な融資経験によって培われた、きめ細かな対応が期待できます。
個人向けローンをメインに扱っている消費者金融では、事業者向け融資のデータが不足しているため、融資に積極的ではありません。
赤字決算の会社や、貸倒れ率の高い業種の会社は、審査に落ちやすくなってしまいます。
担保や保証人なしで申し込める
銀行のプロパー融資では原則として担保・保証人が必要ですが、多くの消費者金融は無担保・無保証人で申し込めます。
消費者金融の事業者ローンは借入れ上限額が低いため、リスクの低い融資となるからです。
無担保・無保証人のローンは個人事業主でも審査に通りやすく、審査が早いので緊急時の資金調達にも向いています。
法人が申込む場合は、連帯保証人が必要になることがありますが、連帯保証人は申込み者本人でも問題はありません。
即日融資が可能
最短即日融資に対応している業者は、提出する書類が少なく、審査基準がやさしいと判断できます。
少額の融資であれば、即日融資が可能な消費者金融は多数あります。
審査スピードの早い業者であれば、もし審査落ちしてしまっても、すぐに別の業者に申込むことができ、時間のロスが少なくてすみます。
一度に複数のローンに申込むと信用情報に悪影響があるので、まずは即日融資可能な業者に優先して申込みましょう。
開業したての会社や赤字決算でも申し込める
会社の経営状態が良くないとか、業歴が浅いといった場合、銀行や信用金庫の融資は断られてしまいます。
ですが、消費者金融の事業者ローンなら幅広く柔軟な融資を行っているので、諦めず相談してみましょう。
開業したばかりの会社でも、業歴1年以上であれば必要な決算書類が揃うので、申し込める可能性があります。
特に「赤字決算OK」と明言している消費者金融なら、過去の財務内容だけでなく、現在の状況を鑑みて審査を行っているので、安心して相談できます。
新規申し込みキャンペーンを行っている
新規申込みキャンペーン中のローン会社は、顧客獲得に力を入れるため、幅広く融資先を受け入れています。
キャンペーン中は審査に通りやすくなるだけでなく、キャッシュバックや金利優遇など、通常よりお得な条件で借入れができます。
キャンペーン中の金利の安さや無利息期間を利用して、ローンの借り換えをすると、利息負担が大幅に軽くなります。
無利息期間は通常1ヶ月であることが多いですが、期限が来たら他社のキャンペーン中に借り換えると、さらに無利息期間を延長することができます。
消費者金融は金利が高い、というデメリットを解消するために、特に無利息キャンペーンを積極的に狙いましょう。
金利が高めに設定されている
融資対象を幅広く受け入れているローン会社は、貸倒れリスクをカバーするため、金利を高く設定しています。
銀行は金利が低いのが魅力ですが、貸倒れが発生したときの損失は大きくなるので、融資先を厳選しています。
銀行系ローンの金利の平均が5%~10%であるのに対し、ノンバンク系は10~15%となっています。
金利の高いノンバンク系は、収益が多い分、貸倒れ損失の許容度が高いので、赤字決済の会社でも審査に通るチャンスがあります。
ブラックOKの資金調達先を探しているなら、ファクタリング(企業の売掛債権を買取り、その回収を自己の危険負担で代行する金融業務)という手段もおすすめです。
ファクタリングなら、売却できる債権さえあれば資金をスピーディーに調達できるので、信用情報がブラックかどうかは関係ありません。
金利の安い事業者ローンはどれ?
消費者金融の事業者ローンは、審査に通りやすく融資スピードが早いのが長所ですが、金利の高さがネックです。
少しでも金利の安いローンを選ぶポイントや、返済の負担を軽くするコツを紹介しますので、参考にしてください。
上限金利をチェックする
事業者ローンの初回利用時は、限度額が低いうえ、多くの場合上限金利が適用されます。
なので、事業者ローンを比較する際は、まずは上限金利がいくらなのかをチェックしましょう。
ノンバンク系の中でも金利が安く借りやすいと評判のサービスを、いくつか紹介します。
アイフルビジネスファイナンスカードローン
利用額に関係なく、実質年率は3.1%~18.0%です。
1万~1,000万円以内なら、無担保・無保証人で繰り返し借入れができるので、高い利便性もあります。
アイフルビジネスファイナンスカードローンには、他にもこのようなメリットがあります。
- お申し込みからご融資まで来店不要
更にお申し込みは簡単4ステップでスピーディー - 事業拡大・決算時などのまとまった資金ニーズに、一時的なつなぎ資金になど、自由に利用できる
- 年会費や補償料は無料
- 保証人や担保も不要
オリックスVIPローンカードBUSINESS
実質年率は6.0%~17.8%の低金利で、最大500万円まで借りることができます。
さらに、担保・保証人は不要なので個人事業主でも気軽に利用できます。
オリックスVIPカードローンBISINESSには、他にも次のようなメリットがあります。
- 審査は最短60分、振込みは最短即日のスピード融資
- 全国17万台のATM、CDと提携しており利用しやすい
- 契約枠が6コースから選べる(50万円、100万円、200万円、300万円、400万円、500万円のいずれか)
- 申込みから融資まで、来店不要で完結する
銀行や日本政策金融公庫では、さらに低金利で借入れができますが、審査に時間がかかるため、緊急時の資金調達には対応できません。
通常は、金利の安さをとるか、融資のスピードをとるか、の二者択一になってしまいます。
ですが、上記のノンバンク系事業者ローンなら、金利を抑えつつ、最短即日~数日以内のスピード調達が可能です。
短期間で返済計画を立てる
借入れ日数が長くなるほど金利がかさむので、返済は極力短期間で済ませましょう。
借入れ日数による具体的な利息は、事業者ローンのウェブサイトにあるシミュレーションツールを活用するとすぐに計算できます。
数ヶ月以内で返済を済ませるのであれば、自分で簡単にシミュレーションをすることもできます。
例えば、金利10%の事業者ローンで100万円の借入れを行い、60日間で返済するとしましょう。
1ヶ月目(30日間)に必要な金利は、以下のように計算できます。
100万円(借入れ残高)×10%(金利)÷365×30=約8,219円
2ヶ月目は、1ヶ月目の返済額を除いた借入れ残高を元に計算を行います。
1ヶ月目に50万円を返済した場合は、残りの50万円から利息を計算します。
50万円(借入れ残高)×10%(金利)÷365×30=約4,109円
合計で、利息は8,219円+4,109円=12,328円になります。
このように月ごとに計算しますが、借入れ期間が長くなるほど計算に手間がかかるので、シミュレーションツールを利用するのがおすすめです。
事業者ローンの賢い選び方や、審査に通りやすくなる方法、金利を安くするコツなどを紹介してきました。
いつまでに・いくら資金が必要なのか、自社の財務状況や信用情報はどうなのかに応じて、ベストな事業者ローン選びに役立ててください。
事業者ローンとビジネスローンの違いとは?
ローンによって「事業者ローン」や「ビジネスローン」と名称が異なるため、どのような違いがあるか、混乱するのではないでしょうか?
実は、両者とも名前が違うだけで、中小企業向けのローンである点は同じです。
名前の違いが存在するのは、それぞれ誕生した経緯が違うからです。
「事業者ローン」は消費者金融が昔から使っていた名称ですが、その後新しく登場したのが、銀行が開発した「ビジネスローン」です。
銀行融資は手間とコストがかかるため、従来の顧客は大企業がメインでしたが、400万社を超える中小企業の顧客を逃してしまうことになります。
そこで、融資のターゲットを拡大するために、柔軟でスピーディーな審査を売りにした「ビジネスローン」を開発しました。
銀行がテレビCMなどで積極的に営業したため、後に事業者ローンよりもビジネスローンの認知度が高くなりました。
それに対抗し、事業者ローンの印象を良くするため、商品内容はそのままに「ビジネスローン」へと名称を変更する消費者金融が増えました。
しかし、現在ではほとんどの銀行がビジネスローンから撤退しています。
残っているのは、「ビジネスローン」に名前を変えた消費者金融の事業者ローンです。